僕のような小市民でもギャンブルを楽しむんですよ。
競馬とかパチンコとかカジノとか王様ゲームね。
ギャンブルって言ったら、
「旦那様、今夜のディナーはフランス一流コックによる子羊のステーキをご用意しました。ワインはブルゴーニュ(ルイシャドー)でございます。」
って感じのメイドさんと夜の儀式が思い浮かぶ上流階級の人種がやる娯楽というイメージもありますよね。
ふざけるなよ、と。
こっちは生活かかってるんですよ。
負けたら子羊どころかカップラーメンを買うか買わないかでコンビニで立ち往生しちゃうんですよ。弁慶の立ち往生ってなもんですよ。
何が子羊のステーキだ!
おれは迷える子羊だ!
お前のお屋敷の庭でドナドナ歌うぞ!
あれは子牛だ!
この似非ジェントルマン。
競馬新聞片手に耳に赤鉛筆のっけてるおじ様の方がよほどワイルドでいいわ。
んで、以前カジノに行った時の話なんですがね、
僕の隣にそういった上流階級のご身分のような方とその奥様がいたわけですよ。僕が必死になって当たるように祈ってる最中に。
めちゃくちゃお金持ちの身なりですよ。
なんだそのネックレスは。
なんだその指輪は。
なんだその何カラットかわかんないけど、ダイアモンドのような石の散りばめられたバッグは。
なんだその夏目漱石のようなヒゲは。
犬とお呼び下さい。
いやいや、待ておれ。こんなところで番犬になってどうする。
結局僕は当たりませんでしたよ。
ルーレットにしても倍率を重視するから当たり難いんですよね。
んで、僕が真剣に今夜のカップラーメンは何にするか考えてた時に、
隣のレディース&ジェントルメンがすごい騒いでるんですよ。
当たったらしいですね。
きー!憎たらしい!
「きゃー、当たったー!当たったわー!」ってね。
やけに騒いでるから何番に賭けたか見てみたんですけどね、
ルーレットの番号ほとんど買い占めたらそりゃ当たるわ!
ってな感じですよ。っていうか、当たっても損してるし。